ここまで考えているからこそ、ヘルダーは上手い
ヘルダーの凄さ
ヘルダーは上手い!初めてJapanCup 2007で演技を観た時、あまりの卓越したテクニックに私はそう思いました。世界中で話題になったこのDVD「レッド・ミラー」の実演を見ても、ヘルダーのテクニックは健在で、むしろ初めて見た時以上の切れ味を持っていました。
しかしいざ翻訳に取り掛かってみると、なぜヘルダーがここまで上手いのか、少し理由がわかりました。ただ練習を積み重ねただけではない、独特な上手さ。訳していて、はっと気づきました。ヘルダーがここまで上手いのは、ここまで考え抜いているからこそだ、と。
プロマジシャンの小林洋介氏が「微妙にタイミングをずらしてくるから、少し記憶をさかのぼらないと気づけない。けど気づいた時にはヘルダーは次の段階に入っていて、全然追えない」と言っていたのを記憶しています。観客が何を見てどう考えているのかを徹底的に考えて、演技をしっかりと練ること。これこそ、ヘルダーが非常に上手い理由のひとつだと気づいたのです。
では、いったいどのように考えているのか。
レッド・ミラーには、ヘルダーの頭の中が覗けるインタビュー映像が合計1時間ほど収録されています。ところが全て英語なので、非常に多くのお客様から「訳してほしい!」という要望の多かったところでした。それを今回、余すところなく完全日本語字幕化しました。
マジックだけでなく、スタジオでの解説、マジック・キャッスルでのレクチャー、コメンタリーにインタビュー。非常に盛りだくさんの内容になっており、マジック愛好家のみならず、現場で活躍するパフォーマーの方々も楽しめる一本となっております(むしろパフォーマーの方々に見ていただきたいです)。
「マジック界の底上げ」ができる、最高のDVDが日本語字幕版となって日本に上陸。世界トップレベルのマジシャンを堪能して下さい。
収録内容
-
4・フォア・フォー
適当に選んだカードを見てみると、数字が4のカード。これを裏返すだけで、4枚のAになります。
-
ヘルダー・スケルター
最初に4枚の予言をデックから出します。観客に1枚選んでもらった後、予言を1枚ずつ見ていくとすべて観客のカードになっています。
-
スカルプチャー
ジョーカーを使って観客のカードを当てます。離して入れておいたジョーカーが、広げるたびに近づいていき、最後にはジョーカーの間に1枚だけカードが残ります。
-
ナマケモノ
Aを出していきますが、途中でKが出てきます。最初に出したAを見てみると、すべてKに変化しています。
そこからデックを表と裏に分けて混ぜ合わせますが、おまじないをかけると向きがすべてそろい、4枚のAだけ裏返っています。
-
インビジブル・スレッド
「見えない糸」を使った、非常にビジュアルでクリーンなポール・ハリスの「リセット」のバリエーション。
-
アベルト・コート
オープン・トラベラーとカード・トゥ・ポケットを組み合わせた演技。カードが移動したり、ジャケットのポケットから出てきます。
-
カーディシャン・コーディネート
観客に改めてもらったサイフに適当なカードを入れておきます。そしてカードにサインしてもらい、マジックを演じていると途中でサインしたカードが消えています。サイフに入れたカードを見てみると、中から観客がサインしたカードが出てきます。
-
メリー・アンドリューズ(エキストラ)
非常にクリーンなツイスティング・エーセス。4枚のジョーカーが、表になったり裏になったりします。
-
エース・アンド・グラス
マジック・キャッスルでの演技。2枚の黒と赤のAが一瞬で入れ替わります。ここで解説される理論だけでもこのDVDを買う価値があります。
-
カードとサインとグラス(演技のみ)
赤と青のデックを使ったカード・アクロス。2人にサインしてもらったカードが、違う色のデックへ見えない飛行をします。
さらに隠しメニューとして2つのボーナス・マジックが収録されています。見つからない場合は、お気軽にお問い合わせ下さい。
※オリジナル版とは違う場所に隠しメニューがあります。
L74
-
アドバイス
ヘルダーから皆さんへお送りする、とても耳が痛いアドバイス。
-
マジックとの出会い
ヘルダーはどのようにマジックと出会い、何を考えてマジックと向き合ってきたのか?マジックとの接し方や距離感は非常に参考になります。
-
リハーサルについて
どのようにリハーサル(通し練習)をするか。10代の頃からさかのぼり、その秘訣を語ります。
-
演技の構成
本編で収録されている演技が、どのような流れを経て構成されたかを説明します。マジックを大切にしているヘルダーならではの考え方。
-
なぜカード・マジックなのか
「カードには無限の可能性がある」と語るヘルダー。なぜここまでカードに惹かれるのかを、生い立ちから語ります。
-
演劇について
4年間大学で学んだ演劇が、どのようにマジックに活かされているか。愛好家のみならず全パフォーマー必見。
-
マジックの古典的なプロット
古典好きのヘルダーが語る、古典の魅力と古典へのアプローチの仕方。「改案とはこういうことか」と思うことでしょう。
-
演じること
なぜか観客から「見えた」と言われた以前のヘルダー。観客に演じることとは、いったいどういうことか。
今すぐ無償会員登録 有料会員について