マジシャンのためのウケるキッズ・ショーの作り方

デビッド・ケイ

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マジックを演技するのに一番難しい相手と言われるのが、小学生以下の子どもたちです。それは、子どもたちはこちらが思ったように静かに見ていてくれないから。彼らは騒ぎ、はしゃぎ、走り回り、道具をつかみ、タネをあばこうとします。
しかし世の中には彼らの特性を知り抜いて、一時間のショーをきっちり演じているプロフェッショナルがいるのです。子どもたちを存分に笑わせ、驚かせ、盛り上げ、しかし決してコントロール不能な状況を作らない。それが、キッズ・マジック専門のプロフェッショナルとしてニューヨークで成功したマジシャン、デビッド・ケイです。
デビッド・ケイは、18年以上におよぶキャリアで培ったその秘訣を言語化してまとめ、誰にでも実行できる項目にまでブレイクダウンしました。この本を読めば、なぜプロがしっかり子どもたちを制御できるのか、なぜ子どもたちに受ける演技ができるのか、その理由がはっきり整理された形で理解できます。その内容は決して才能や性格だけに頼るものではなく、誰にでも実行できるものなのです。子どもたちをしっかり制御したまま存分に笑わせ、驚かせ、盛り上げる。それが、あなたにもできるようになります！
 

なぜ書籍版なのか

上の説明を読んで、こんな文章は読んだことがある、と思われた方もいらっしゃると思います。スクリプト・マヌーヴァは2012年にキッズ・マジックのレクチャーDVDとして「シリアスリー・シリー」を翻訳しました。受けるキッズ・マジックができるようになるため、というコンセプトはこのDVDとまったく同じものです。それもそのはず、今回の書籍は、DVD「シリアスリー・シリー」で語られた内容をより詳しく解説したものなのです。
でもそれではなぜ今更、書籍版を翻訳したのでしょうか？
それは、DVDでは解説しきれなかった内容がたくさんあったから。
DVDではまず演技を実際に観てもらってから、各演技がなぜこんなに受けているのかを解説する形を取っていました。実際の演技をもとにしているために、解説した内容は映像に含まれていた要素に限定され、映像では説明が難しい内容はすべてカットされていたのです。また単純に収録時間の問題で、解説しきれなかった原理原則もたくさんありました。
だから今回の書籍とDVD、テーマは同じとは言え、決して内容がダブっているとは考えないでください。この二つの商品の内容はそれぞれを補完するようにできており、この二つを合わせて初めて、デビッド・ケイが積み上げてきた考えがすべて理解できるようになっています。
 

DVDでは解説できなかったこと

DVDで解説できなかったことはたくさんあります。例えば…
 

キッズ・マジックを理解するための10のステップ

子どもは大人と考え方、感じ方が違います。それを理解しなければ、彼らにとって面白いショーは作れません。その内容を10のポイントに整理して解説します。
 

年齢別のショー

どんどん育っていく子どもたちは、年齢が少し違うだけで理解の仕方や笑いのポイントがまるで変わります。豊富な経験から導き出したその違いを網羅！
 

ウケるマジックの作り方

子どもたちを笑わせるにはどういう仕掛けが必要か。その要素を整理し、それを組み込んだ実際のマジックも解説！
 

よく起きる10の問題の解決方法

キッズ・ショーならではの、そして誰もが頭を悩ませる問題をピックアップ。それに対する具体的な対応策をステップごとに提示します。
 

付録

こんな情報が知りたかった！かゆいところに手が届く内容を整理
2012年に発売したDVD「シリアスリー・シリー」は、弊社のタイトルの中でも一番「観て良かった」「役に立った」「実践的だった」という声を頂いたタイトルです。そういった声はアマチュアの方はもちろん、実際にプロとして子ども向けの演技をされているパフォーマーの方々からも頂きました。今回の書籍にはそれ以上の内容が書かれています。この本を読んで、ぜひあなたのパフォーマンスの質を上げてください！
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収録内容

1. 1. まえがき
   2. はじめに：魚を釣る方法教えます

 
パート1　基本中の基本から

1. 私はキッズ・マジシャンであることに誇りを持っている
2. クライアントNo. 1347：ブルネイ国王
3. キッズ・ショーの起源
   1. キッズ･ショーの起源と影響：イギリスの場合
   2. パンチ＆ジュディ
   3. キッズ・ショーの起源と影響：アメリカの場合
4. クライアントNo.529：スーザン・サランドン

 
パート2　キッズ・ショーにおける心理学

1. “本物のおまじない”を学ぶ
2. 子どもにとってマジックとは何か？
3. はじめの第一歩：キッズ・マジックを理解するための10のステップ
   1. ステップ1．子どもを好きになること
   2. ステップ2．大人に話しかけるように、子どもに話しかけること
   3. ステップ3．現象よりもエンターテイメント性に重点を置くこと
   4. ステップ4．気が散る要因をなくすこと
   5. ステップ5．「それ知ってる！」を真に受けないこと
   6. ステップ6．流れに身を任せること。台本から離れよ。
   7. ステップ7．子どもは参加したがるものと知ること
   8. ステップ8．プロットは必ず説明すること。しかもシンプルに。
   9. ステップ9．子どもたちに流行っているものを利用すること
   10. ステップ10．楽しむこと
4. 年齢別のショー
   1. 3～6歳児：とにかくおかしくヘンなことを
   2. 7～9歳児：誰かおならした！
   3. 10～13歳児：カードは最初から天井についてたんだ！
5. 一つのマジックの三通りの演技
   1. 3～6歳児向けのシルクの消失
   2. 7～9歳児向けのシルクの消失
   3. 10～13歳児向けのシルクの消失
6. アシスタント役の子どもを最大限に活かす
   1. 1．アシスタント役をつのる
   2. 2．正しいアシスタント役を選ぶ
   3. 3．歓迎されていると感じてもらう
   4. 4．アシスタント役を着飾らせる
   5. 5．子どもに力を与える
   6. 6．アシスタント役にご褒美をあげる
7. クライアントNo.4421：デビッド・レターマン

 
パート3　受けるマジックの作り方

1. 大切なのはゴールではなくてプロセス
   1. また魚釣りに行きましょう
   2. コメディクラブに学ぶ
   3. 大切なのはゴールではなくプロセス
   4. 導入
   5. 長い中間が必要な理由

1. 笑いの要素の組み込み方
   1. チグハグさ
   2. 困っているマジシャン
   3. おかしい言葉
   4. 面白い小道具
   5. 大げささ
   6. 繰り返し
2. 【ブレッド・トリック】
   1. 訳注：日本語で演じる場合

1. 後ろ、後ろ！
   1. 笑い
   2. おまじないを唱える
   3. おまじないを唱えながら体を動かす
   4. 特定のマジックだけに使う動作を作る
   5. 指を差させる／「見て！」
   6. 言葉の間違いを正させる
2. 【クリスタル・シルク・チューブ】

1. 僕がやったんだ！
   1. 知識で子どもをエンパワーする
   2. 技術で子どもをエンパワーする
2. 【プレジデンシャル・ミスメイド・フラッグ】

1. むかしむかし、あるところに
   1. 前段
   2. プロットをつくる
   3. ボーイ・ミーツ・ガール
   4. 強烈な結末の必要性
   5. 完璧な解決による結末
   6. ワワワワ・エンディング
   7. 結末のないマジック
2. 【バニシング・コーク・ババ】

1. まあ、どうやったの？
   1. なぜ大人も楽しませた方が良いのか
   2. 大人の楽しませ方
2. 【ミルクピッチャー・プラス】

1. ここから先は、絶対、読まないこと！
   1. 本物のアドリブ
   2. リハーサル済みのアドリブ
   3. 台本に載っているアドリブ
   4. 手順にアドリブを加える
   5. 子どものセリフをそのまま反復する
   6. とにかく、絶対に、やっちゃダメ（行動）
   7. とにかく、絶対に、言わないで（セリフ）
   8. 一つの行動から三つの笑いを引き出す
2. 【世界で一番面白いカラーリング・ブック】
   1. カラーリング・ブックに自分のキャラクターの絵を差し込む方法

1. 教えて、やらせる
2. 自分の手順に原理を組み込む
   1. クリスタル・シルク・チューブ
   2. アンビシャス・カード
3. 既存の手順に組み込めるテクニック一覧表
4. クライアントNo.3719：ブルース・スプリングスティーン

 
パート4　よくある問題の解決方法

1. シリー・ビリーの“妨害発展の法則”
2. 「それ知ってる！」を真に受けない
   1. どうして子どもは「それ知ってる！」と言うのか
   2. その一方で
3. 問題を解決するための5つのステップ
   1. ステップ1：予防する
   2. ステップ2：ユーモアを使う
   3. ステップ3：丁寧にお願いする
   4. ステップ4：きつくお願いする
   5. ステップ5：ショーを中断して助けを求める
   6. 5つのステップの覚え方
4. キッズ・ショーでよく起きる10の問題の解決方法
   1. 問題1．大人のおしゃべりがうるさい
   2. 問題2．幼児が動き回って邪魔になる
   3. 問題3．子どもが「それ知ってる！」と大声で言う
   4. 問題4．問題児が走り回ったり道具を奪いに来る
   5. 問題5．年長の子どもが問題を起こす
   6. 問題6．子どもがじっと席に座っていてくれない
   7. 問題7．主役が恥ずかしがり屋で参加してくれない
   8. 問題8．観客の年齢層がバラバラ
   9. 問題9．顧客が屋外でショーを行いたがる
   10. 問題10．燃え尽き症候群
5. クライアントNo.5108：マドンナ

 
パート5　ショー全体を調整する

1. ショーを作る
   1. ウォーミング・アップ
   2. オープニング
   3. ショー本体
   4. クライマックス
   5. さらにもう一歩進めて
2. どこまでやって良いのか？
3. ハトを追いかけるということ：子どもにとって力は大切
4. ヒューストン、問題が発生した！
5. 最後に

 
付録

1. 別表1 子どもの年齢別認知発達表
2. 別表2 子どもにも分かるマジック用語の言い換え一覧
3. 別表3 子ども用にアレンジしやすいメジャーなマジック一覧

 

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