天才があやなすコインの世界。その裏と表を徹底解説!
スペインの天才、ルイス・ピエドライタによるオリジナルコインマジックを解説した書籍です。
彼はこれまで様々な環境でマジックを演じてきました。彼自身の表現によると「劇場、テレビ番組、闘牛場、接待行事、ホットタブ、登山用簡易テント、そして修道院」まで。
彼はプロとして「どんな現場でも失敗は許されないと思っている」と書きます。そんな場で彼は…他に素材と一緒にコインマジックを演じるのです。 通常「安全に演技できて」「確実に受けが取れる」マジックを考えたとき、コインはそこに入りません。技術的な難易度が高く、エンターティメント性もつけにくいからです。しかし彼は自分の感性をふんだんに取り入れたオリジナルの手順を演じ、高い評価を得ているのです。
彼のコインマジックの強靱さ
彼のマジックの特徴は、マニアが見ても唸る不思議さがあるだけでなく、それが自身の感性や演出と見事に融合していること。素材の選び方も構成を含めた味付けも、演出をつけにくいコインマジックの中でここまで綺麗にまとまったものは滅多にありません。
彼はレギュラーで出演していたテレビ番組で、多くのオリジナル・コインマジックを演じました。そこで求められたのはビジュアル性、クリーン性、そして「疑う余地のない不思議さ」。さらに番組では毎回セレブリティのゲストがすぐ横で参加するため、実用的であり、角度に強くなくてはいけませんでした。そういったマジック的な条件をすべてクリアし、そのうえで彼のアーティスティックな感性がふんだんに散りばめられた粒ぞろいの名作10選が、彼のオリジナルテクニックと共に収録されています。
手応えのある内容
実用的、と書きましたが、決して簡単ではありません。むしろ上級者向けの内容です。例えばここで解説されている手順はそのほとんどにギミック・コインを使用しますが、彼は本書内のエッセイで「シェルコインを使うのは、あなたの手指がJ.B. ボボに書かれたすべてを踊り抜いてからにすべき」と書いています。一定以上のレベルが染みついた手にギミックを持たせ、初めて実現できる不思議さと自然さ。ライブのクロースアップにおいて、コインマジックがたどり着ける一つの極地を見ることができるでしょう。
ルイス・ピエドライタは私の憧れです。 彼は、錯覚を見せる指芸であったコインマジックを、魔法を経験させるアートに変えました。スキルデモンストレーションにしないための構成、そして無機質な物理現象にしないための味付けがこの本にはあります。このクオリティはコインマジックにおいて例外的です。この本が広く読まれ、この基準のコインマジックが増えることを願います。
神業としかいいようがない。
コインとスポンジ
コイン・イン・アスピリン
サイン付きコインの飛行
ワイルド・コイン
プチプチ・マトリクス
収録内容
パーソナル・テクニック
彼の手によるオリジナルテクニック5つを解説。ハドル・パーム、ティモテオ・ターンオーバー、トリックリンキー、ウィップ・フリップ、ピンキー・トス。
カッパーとシルバー
グラスの中や観客の手の中でカッパーとシルバーが入れ替わる。
4枚のコインの出現
ギミックを使うことで不可能性を高めたコイン・プロダクション。
ラムゼイ・シリンダー
革製シリンダーの代わりにトイレットペーパーの芯、コルクの代わりに紙玉を使うシリンダー&コインのバリエーション。観客が近い状況でも安定して演じられるように構成されています。
コイン・スルー・ザ・テーブル
カンガルー・コインのバリエーション。非常に整理された構成になっており、本書の中では一番難易度が低い。
4枚のコインとスポンジ
コインが次々とスポンジに「吸収」され、「絞り出」される。
コイン・イン・アスピリン
観客が選んだ錠剤を水に溶かすと、中から観客のサインが入ったコインが現れる。
サイン付きコインの飛行
すべてにサインをしてもらったコインを使うことで不可能性を極限まで高めたコインズ・アクロス。本人をして「この本の中で、いや自分の考えついたものの中で最高」と言わしめるアイデアを収録。
ワイルド・コイン
4枚のシルバーが、目を疑うような鮮やかさで1枚ずつカッパーへ変化し、最後はすべて戻ります。
ハンカチを通り抜けるコイン
2枚のコインがきわめて鮮やかに半透明のハンカチを通り抜けていきます。
プチプチ・マトリクス
梱包用の緩衝材を使った、ビジュアルなマトリクス
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