ケースを作成する上で、本革のアタッシュケースの作成についてひたすら学びました。
通常、アタッシュケースやトランクは厚紙を芯にして箱を作成し、本革を張り付ける工法が多いのですが
当店ではMDF(木質繊維板)を芯に採用いたしました。
外面は質感の良い姫路産の本革を使用し、どの角度から見ても隙の無いデザイン性を実現しております。
ミシンを改造することで、木材と革を縫い合わせる常識外れの工法を採用しております。
また、蓋を開けた際に90度で止まるストッパーも勿論取り付けております。

マットのクッション材には厚さ5㎜の硬質スポンジゴムを使用。
スリムなデザインにするため、実用に耐えるギリギリの厚みにしております。
沈み過ぎず、しっかりピックアップができるよう和気産業のスポンジゴムを全て検証し、最も適した素材を採用いたしました。
また、マットからはみ出てフレーム部までスプレッドができるよう、フレームより約3㎜ほどマット部が高くなっております。
マットの表面にはクラッシュベロアを用い、美しい乱反射と埃のつきにくい機能性を兼ね備えております。
なお、天板のサイズの内、可能な限りマットの占有率を高めるため、フレームは僅か6㎜の狭縁デザインとしております。
マットのサイズは182mm×257mmのB5サイズです。
小ぶりながらも、スプレッド可能なギリギリのサイズ感です。

本商品はテーブルホッピングでの使用を想定して製作しております。
ゲストのテーブルに置く以上、大きすぎてはいけませんし、小さくしすぎてしまえば機能を果たせません。
そのため、持ち運ぶ道具のサイズにジャストサイズでお選びいただけるよう、3サイズ展開といたしました。
本商品は大きければ大きいほど良い類の商品ではございません。レパートリーに合わせて最適なサイズをご選択ください。

デックの厚み+5㎜程度の最もスリムなサイズです。
容量は少ないのですが、スタイリッシュなデザイン性が特長です。
持ち運びも容易で、クロースアップパッドと同じ感覚で持ち運びが可能です。
ボディーセットと組み合わせ、1～2ルーティンほどを持ち運ぶ用途に適した、ある意味最もプロ向けのサイズです。

容量とデザイン性を兼ね備えた万能サイズです。
デックを二つ重ねて持ち運ぶことも可能で、テーブルホップで使用する道具であればほとんど持ち運ぶことが可能です。
リピーターが多い、マジックバー等で活躍するマジシャンにお勧めのサイズです。
個人的には、困ったらこのサイズ！と考えます。

当店のレザーチョップカップやルービックキューブ等を持ち運ぶことができる大容量サイズです。
テーブルホップで持ち運ぶには少し存在感がありすぎるかな、とは思うのですが、逆説的にはこれ以上分厚くすると野暮になってしまうギリギリのサイズかと存じます。
また、多くのルーティンを持ち運べるため、大道芸やストリート等のお客様に合わせたパフォーマンスをする必要がある方にお勧めです。

木製クロースアップケースと同じく、マジックベルト方式を採用いたしました。
鞄として持ち歩く際はケースが縦になり、演技中は横になるため、対策を施さない場合クロースアップケースの中がごちゃごちゃになってしまいます。
そうなってしまうと、演技中にケースの中を探すのも、お客様にケースの中を覗かれるのも避けたい事態でした。
実際に演じる中で発案した、整頓方法です。

ケース内側の上部と下部に、マジックテープのオス面が張り付く特殊な生地を貼り付けました。
そうすることで、マジックテープで道具を固定することが可能になります。
また、マジックテープは市販のテープを使用することも可能ですが、当店にて両端に1.2㎝のマジックテープを取り付けた本革のベルト(以下マジックベルト)をご用意いたしました。
マジックベルトは取り外しを繰り返すことによりマジックテープがはがれてくることを防ぐため、金具で固定をしております。
また、本革を使用することであたかも専用に革を打ち付けたかのような意匠を実現いたしました。

マジックベルトのサイズは、固定する道具によって選べる4サイズをご用意いたしました。
 
写真左から順に、以下となります。(全て税込み)
 
ミニサイズ(通常価格550円)：横74㎜×縦34㎜　ペンやウォンド、フォーク等に
小サイズ(通常価格1,100円)：横104㎜×縦60㎜　パケットケースや数枚のカード等に
中サイズ(通常価格1,320円)：横134㎜×縦60㎜　デックや名刺入れ等に
大サイズ(通常価格1,650円)：横174㎜×縦60㎜　スポンジやチャイナリング等に

姫路産のアンティーク風のムラ染めが特長のレザーです。
クロムとタンニンの混合鞣しにより、タンニンレザーの風合いと、クロムレザーの堅牢さを兼ね備えています。
アンティークな雰囲気から、激しくエイジングしそうなのですが、エイジングは緩やかです。
表面も均等で、他の個性的なレザーと比べるとレザーらしい風合いも控えめです。
綺麗で均等なレザーをご希望の方へお勧めです。

クロースアップケースは演技のサポート用品の位置づけですが、
ケースそのものでマジックを演じられる工夫を施しました。
なんと、株式会社テンヨーの新商品、「奇跡のラストピース」に完全対応しております。
「奇跡のラストピース」は間違いない名作ですが、実演するとなるとパズルを入れるためのフレーム、クライマックスを隠すためのハンカチ、ディスプレイをするためのイーゼル等、演じる上で必要となるオブジェクトが多く、フットワークに欠けると感じておりました。
本商品はオリジナル設計の強みを活かし、裏面にパズルがぴったり納まるサイズとしております。
マジックショーの最後に、ケースを返すだけで予想外のクライマックスを演出可能です。
また、背面のベロア生地は赤、青、黒の三色からお選びいただけます。(現在青は選べません)
※本商品には「奇跡のラストピース」は付属しません。Amazon等にてご購入下さい。
※「奇跡のラストピース」は両面テープ等で貼り付けてご利用ください。
※本商品につきましては、株式会社テンヨーの鈴木徹様、考案者の小宮賢一様に許可を得て販売しております。

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